そろそろ離乳食…と思っても、「何から?どのくらい?」と迷いますよね。せっかく作ったのにべーっと出されると、がっかりして疲れが倍になる、という声もよく聞きます。うまくいかないのは、赤ちゃんも親も初めてのことだからで、自然なことです。この記事では、始めどきのサインと最初のひとさじから1か月の進め方の例、安全のために気をつけたいことをまとめました。国の「授乳・離乳の支援ガイド」と、こども家庭庁が紹介している保護者向けリーフレット「離乳スタートガイド」をもとにしています。
始めどきは生後5〜6か月ごろ。サインで判断
離乳食の開始は生後5〜6か月ごろが目安とされています。月齢だけでなく、次のような様子が見られるかを確認しましょう。
- 首がしっかりすわっている
- 支えがあれば座っていられる
- 大人が食べているのをじっと見る、口をもぐもぐ動かす
- スプーンを口に入れても、舌で押し出すことが少なくなってきた
早産で生まれた場合や、体重の増え方が気になる場合は、健診やかかりつけ医に始めどきを相談すると安心です。資料は 授乳や離乳について(こども家庭庁) から確認できます。
最初のひとさじの準備
| 準備すること | ポイント |
|---|---|
| 時間帯 | 体調と機嫌のよい日の、午前中の授乳1回分の前など。何かあっても小児科を受診しやすい時間に |
| 最初の食材 | なめらかにすりつぶしたおかゆ(つぶしがゆ)から始めるのが一般的 |
| 量 | 小さじ1杯から |
| 道具 | 赤ちゃん用の小さなスプーン、すりつぶし用の道具。特別な道具がなくても、裏ごし器やすり鉢で代用できます |
この時期の栄養は、まだ母乳やミルクが中心です。離乳食のあとも、欲しがるだけ母乳やミルクをあげましょう。食べる量が少なくても心配しすぎなくて大丈夫です。
1か月目の進め方の例
以下はあくまで一例です。赤ちゃんの様子を見ながら、ゆっくりで問題ありません。
| 時期 | 内容の例 |
|---|---|
| 1週目 | 1日1回。つぶしがゆを小さじ1から始め、様子を見ながら少しずつ増やす |
| 2週目 | おかゆに慣れたら、すりつぶした野菜(にんじん、かぼちゃ、じゃがいもなど)を小さじ1から |
| 3週目 | おかゆ・野菜に慣れたら、つぶした豆腐や白身魚などのたんぱく質を少量から |
| 4週目 | 食べられる食材を組み合わせる。慣れてきたら様子を見て1日2回へ進める家庭も |
- 初めての食材は、1さじから試します。
- 体調の変化(発疹、せき、嘔吐など)があったとき原因がわかりやすいよう、新しい食材は1日1種類にしましょう。
- 食べた食材をメモしておくと便利です。
安全のために必ず知っておきたいこと
- 乳児ボツリヌス症を防ぐため、1歳未満の赤ちゃんには、はちみつやはちみつ入りの食品を与えないでください。加熱しても防げません。
食物アレルギーが心配なとき
卵などアレルギーが心配な食材も、自己判断で除去したり開始を遅らせたりせず、しっかり加熱したものをごく少量から試すのが基本です。すでに湿疹がひどい、ほかの食材で症状が出たことがある、などの場合は、始める前にかかりつけ医に相談しましょう。食物アレルギーの基本は 食物アレルギー(国立成育医療研究センター) でも確認できます。
窒息を防ぐ
- 食べるときは必ず大人がそばにいて、座った姿勢で
- 口に入れる量はスプーンの先に少しずつ
- 泣いているときや眠いときは無理に食べさせない
消費者庁は、食品による子どもの窒息事故への注意をまとめた資料を公表しています(食品による子供の窒息事故に御注意ください!(消費者庁・PDF))。
衛生面で気をつけること
- 調理の前は手を洗い、まな板や包丁、すりつぶす道具は清潔に
- 離乳食は十分に加熱し、作り置きする場合は小分けにして冷凍し、早めに使い切る
- 赤ちゃんが口をつけたスプーンで取り分けた残りは、次の食事に回さない
食べる姿勢と環境
最初は大人のひざの上で、少し後ろに傾けた姿勢で抱っこして始める家庭も多いです。腰がすわってきたら、足が床やステップにつくベビーチェアにすると、飲み込みやすく、食べることに集中しやすくなります。テレビを消して、「おいしいね」「もぐもぐ」と声をかけながら、ゆったりした雰囲気でいただきましょう。
- まったく食べてくれません
- 最初は口を開けない、舌で押し出すのはよくあることです。日を変えて再挑戦したり、少し間をあけたりしても大丈夫です。
- 市販のベビーフードを使ってもいい?
- はい。忙しい日や外出時に便利です。月齢に合ったものを選び、食べ残しは保存せずに処分しましょう。
2か月目以降の見通し
1日1回の離乳食に慣れ、食べられる食材が増えてきたら、様子を見て1日2回に進めます。その後は、舌でつぶせるかたさ、歯ぐきでつぶせるかたさ…と少しずつ形のある食べ物に移り、1歳から1歳半ごろに、離乳の完了(形のある食べ物をかみつぶすことができ、栄養の大部分を母乳やミルク以外の食べ物からとれるようになる状態)を目指していきます。進み方には個人差が大きいので、月齢どおりに進まなくても心配しすぎなくて大丈夫です。
市区町村の保健センターなどでは、離乳食教室や栄養相談を行っているところも多くあります。実際の形やかたさを見られる機会は貴重なので、お住まいの自治体の案内を確認してみてください。
忙しい日のための工夫
- おかゆや野菜ペーストは、まとめて作って製氷皿などで小分け冷凍しておくと、1回分ずつ使えて便利です
- 大人の食事の取り分け(味をつける前の野菜スープの具をつぶすなど)も活用できます
- 疲れている日はベビーフードに頼ってもかまいません。毎回手作りでなくても大丈夫です
- 冷凍したものは、加熱してから人肌程度に冷まして食べさせます
食べてくれなくて落ち込んだときは
離乳食を食べない理由には、眠い、お腹がすいていない、慣れない食感や味、体調、気分など、いろいろあります。最初の1〜2週間はほとんど食べないことも珍しくありません。その場でできることは、機嫌のいい時間帯に試す、無理に口に入れずに「今日はここまで」と切り上げる、日を改めて同じ食材をもう一度試す、などです。少量でも口に入れば、それで十分な一歩です。
手間をかけた分、残されるとつらい気持ちになりますよね。そんなときは、市販のベビーフードや冷凍ストックをためらわず使って大丈夫です。イライラしたときは、赤ちゃんを安全な椅子に座らせたまま数十秒だけ深呼吸し、完璧を目指さないようにしてみてください。離乳食は、家族の誰かが交代で担当してもかまいません。進め方に不安があるときは、市区町村の離乳食教室や乳幼児健診、保健センターなどで相談できます。月齢や食べる量は赤ちゃんによって本当にまちまちなので、「今日はこれだけ食べられた」と小さな一歩を数えてみてください。
公式リンク・相談先
- 授乳や離乳について(こども家庭庁)
- 食物アレルギー(国立成育医療研究センター)
- 食品による子供の窒息事故に御注意ください!(消費者庁・PDF)
- 食品による窒息 子どもを守るためにできること(日本小児科学会)
- 乳幼児健診に関する取組み(こども家庭庁)
- 子どもの症状は♯8000(厚生労働省)
まとめ
離乳食は生後5〜6か月ごろ、赤ちゃんのサインを見て、つぶしがゆ小さじ1から始めます。新しい食材は1日1種類・少量から、はちみつは1歳を過ぎるまで与えない、食べるときは必ずそばにいる、が基本です。食べない日があっても大丈夫ですし、手作りにこだわらなくても大丈夫です。迷ったりつらくなったりしたら、一人で抱えず、離乳食教室や健診で相談してください。