クリスマスや年末年始は楽しい予定が続く一方で、子どもの体調が心配な時期でもあります。人が集まる、夜更かしする、寒暖差が大きいといった条件が重なり、発熱や嘔吐のたびに「病院は休みなのに」と焦った経験がある方も多いでしょう。子どもの体調が急に悪くなると、親も寝不足になり、気持ちが追いつめられます。そう感じるのはごく自然なことです。この記事では、冬の主な感染症と予防、年末年始の備え、受診の目安、頼れる相談先をまとめます。ここに書いた内容は一般的な目安で、診断や治療の代わりにはなりません。心配なときは、迷わず医療機関や相談窓口を利用してください。
冬に流行しやすい感染症
| 病気 | 主な症状 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| インフルエンザ | 高い熱、せき、のどの痛み、頭痛、関節痛など | ぐったりしている、水分がとれない、呼吸が苦しそうなどのときは早めに受診を。 |
| 新型コロナウイルス感染症 | 発熱、せき、のどの痛み、だるさなど | 症状が軽くても、周囲にうつさないよう配慮する。 |
| RSウイルス感染症 | 鼻水、せき、発熱。乳児ではゼーゼーする呼吸が見られることも | 小さな赤ちゃんは重くなることがあるため、早めに受診を。 |
| 感染性胃腸炎(ノロウイルスなど) | 嘔吐、下痢、腹痛、発熱 | 脱水に注意。吐いたものは、手袋とマスクをして使い捨ての布で拭き取り、薄めた塩素系漂白剤で消毒する方法がある。 |
| 溶連菌感染症 | のどの痛み、発熱、発疹など | 診断と治療が必要。処方された薬は、医師の指示通りに飲みきる。 |
症状が似ている病気は多く、家庭で見分けるのは難しいです。国の感染症の最新情報は、厚生労働省「感染症情報」や、厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」で確認できます。
家庭でできる予防
- 手洗い:帰宅後、食事の前、トイレのあとには石けんで洗う。小さな子は、親が一緒に洗う。
- 換気:寒くても、時間を決めて窓を開け、空気を入れ替える。
- 加湿:乾燥しすぎると、のどや鼻が弱りやすい。
- 睡眠と食事:休み中も、生活リズムをなるべく崩さない。
- 人混みの調整:流行期は、人混みに入る時間を短くする、マスクの着用を考えるなど、状況に合わせて。
- ワクチン:インフルエンザや新型コロナなどのワクチンは、かかりつけ医に相談して判断する。インフルエンザワクチンは、13歳未満は原則2回接種とされています。ワクチンで防げる病気についてはKnow VPD!(ワクチンで防げる病気を知る)でも情報が得られます。
年末年始に備えておくこと
クリスマス会や帰省、初詣など、年末年始は人が集まる機会が増え、子ども同士や大人から感染症がうつることもあります。予定を詰め込みすぎず、体調が悪い人がいるときは会を延期する、少人数にするなど、柔軟に考えて構いません。
多くの医療機関が年末年始に休診になります。年内に、次の準備をしておくと安心です。
- かかりつけ医の休診日と、年内最後の診療日を確認する。
- 普段飲んでいる薬や、アレルギーの薬が、休み中に足りるか確認する。
- 体温計、冷却シート、おむつ、経口補水液(市販のもの)、嘔吐用のビニール袋、ウェットティッシュ、タオルなど、看病に必要なものをそろえる。
- お住まいの地域の、休日・夜間に受診できる医療機関の窓口を調べる(自治体や医師会のサイト、消防の案内などで確認できます)。
- 保険証類(マイナ保険証または資格確認書)、医療費助成の受給者証、母子手帳を、すぐ出せる場所にまとめる。
受診の目安と、相談先の使い分け
| 様子 | 目安 |
|---|---|
| 呼びかけに反応が鈍い、けいれんが止まらない、顔色や唇が紫色、息が苦しそう | すぐ119番 |
| 生後3か月未満で38℃以上の熱 | 夜間・休日でも受診を相談 |
| 水分がとれない、半日以上おしっこが出ない、何度も吐く、ぐったりしている | 夜間・休日でも受診を相談 |
| 熱があっても、水分がとれて、あやすと笑う・眠れている | 家で様子を見て、翌日にかかりつけ医へ |
| 判断に迷う | 厚生労働省「子どもの症状は♯8000」に電話で相談 |
- #8000(こども医療電話相談):小児科医や看護師に、子どもの症状について電話で相談できます。実施時間は都道府県により異なります。
- #7119(救急安心センター):救急車を呼ぶか迷うときの相談窓口ですが、実施していない地域があります。お住まいの地域で実施されているかは、総務省消防庁「全国版救急受診アプリ(Q助)」のページで確認できます。
- 119番:命にかかわる緊急事態のときは、迷わず119番。
登園・登校の目安
インフルエンザなどの感染症は、学校保健安全法で出席停止の期間が決められています。たとえばインフルエンザは、発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまでとされています。保育園や幼稚園は、施設ごとのルールもあるので、通っている園や学校の案内に従ってください。
看病で疲れたとき、イライラしたときは
夜中に何度も起こされる、食べない子に何度も水分を勧める、上の子の世話と並行して看病する。そんな日々は、本当に消耗します。子どもがぐずったり、いつも以上に甘えたりするのは、体がつらくて不安だからです。抱っこで安心させる、少量ずつ水分をとらせる、静かに過ごせる環境を整えるなど、できる範囲で十分です。
親が限界を感じたときは、子どもが安全な場所にいるのを確かめて、数十秒だけ別の部屋で深呼吸してみてください。家族に交代を頼む、食事は簡単なものですませる、家事は後回しにする、という判断も大切です。看病がつらいときや、誰にも頼れずに不安なときは、厚生労働省「子どもの症状は♯8000」のほか、お住まいの市区町村の保健センター、子育て支援センターに相談できます。
- 水分は、一度に飲ませようとせず、少量をこまめに。
- 吐いたあとは、30分ほど間をおいてから少しずつ飲ませる。
- きょうだいや家族にうつさないよう、タオルや食器を分ける。
- 看病する大人も、水分と睡眠をとる。
公式リンク・相談先
- 厚生労働省「子どもの症状は♯8000」:休日・夜間の子どもの急な症状の相談
- 総務省消防庁「全国版救急受診アプリ(Q助)」:救急安心センター事業(#7119)やQ助の情報
- 厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」:インフルエンザの公式情報
- 厚生労働省「感染症情報」:感染症全般の公式情報
- Know VPD!(ワクチンで防げる病気を知る):ワクチンで防げる病気の情報
- 国立成育医療研究センター:子どもの健康・医療の情報
まとめ
冬の感染症は、手洗い・換気・睡眠といった基本の対策と、年末年始の前の備えで、慌てずに対応しやすくなります。迷ったときは、厚生労働省「子どもの症状は♯8000」や119番を頼って大丈夫です。看病で疲れたときは、無理せず家族や周りを頼ってください。完璧に防げなくても、親のせいではありません。体調が落ち着いたら、クリスマス特集(全国のイベントを地図で)で、冬のおでかけの計画も立ててみてくださいね。